- 富士山河口湖音楽祭2022実行委員会
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インターンシップの音大生による
富士山河口湖音楽祭では毎年昭和音楽大学と提携してインターンシップをスタッフとして迎えています。今年のインターンシップ音大生たち2人に、富士山河口湖音楽祭2020公演についてレポートしていただきました。

オンラインという前例のない挑戦
はじめまして。今回、インターンシップの研修で富士山河口湖音楽祭に関わらせていただきました、昭和音楽大学の山田と申します。現在も世界的に流行している新型コロナウイルスの影響で昨年のような形での開催ができず残念でしたが、来年で20回を迎えるこの音楽祭をオンライン生配信で開催するという前例のない挑戦に関わらせていただき、今までとはまったく違う緊張感が漂う中とても良い経験をすることができました。
三密回避・ソーシャルディスタンスの確保
本公演は出演者が多い分、社会的距離の確保や万が一に備えすべての入館者に対して健康状態のチェックシートを事前に記入していただき、すぐに連絡が取れるよう住所・電話番号についても併せて記入していただく等の感染予防対策を実施しました。
入館時には受付にて検温を行い、【三密】を避けるため注意喚起の標示を作成・掲示し出演者の控え場所を巡回しながら新型コロナウイルスの感染予防を呼びかけました。
また、受付前には2m間隔で入館前にお待ちいただく立ち位置を示したカラーコーンを設置し、会場内の座席は両隣を3席空け、前後も2列空けることでソーシャルディスタンスの確保に努めました。
オンラインの生配信での開催ということで、公演中に上野さんが視聴者からの質問に 答えたり、リアルタイムで流れてくるコメントに対して反応したりするなど、画面越しに見ている視聴者が置いて行かれない工夫がされていたと感じました。
ネット上で同じ時間を共有する
8月16日(日)に開催された富士山河口湖音楽祭アカデミープログラム「オンライン演奏会&クリニック~富士山の麓から発信!吹奏楽で繋がろう~」では、人気サクソフォン 奏者である上野耕平さんをお迎えしてオンラインの吹奏楽演奏会を開催しました。配信はすべて動画配信アプリYouTubeを介して行われ、約800人が生放送を見ていました。
コロナ禍で県と県をまたぐ移動が自粛されている中、演奏会に来たくても来ることができなかった方々や、海外からライブ配信を見ている方々、今まで集まっての練習が難しかった出演者の方々がネット上で同じ時間を共有するということがとても新鮮でした。
また、今まで河口湖ステラシアターを知らなかった人たちにも今回の配信を通じて劇場や音楽祭について知っていただけるような良い機会になったのではないかと感じました。
実際にこの音楽祭期間中にステラシアター公式YouTubeチャンネル登録者数は100人未満から600人以上増え、8月24日(月)時点で726人になっていました。これでほかの演奏会やプロジェクト、さらにまた来年の音楽祭に興味を持ってくれる人や実際に聴きに来てくれる人がもっと増えていけばいいなあと思いました。
新しい時代の演奏会
本公演は中学生OBバンドの演奏を上野耕平さんが自ら指導し、2曲を一緒に完成させていき、最後に完成形を披露するというものでした。プロの演奏家が一般のバンドを指導する様子を無料で見ることができるというのはすごく貴重で、しかもその映像をアーカイブでも見返すことができるという点が現役で吹奏楽を頑張っている学生にとっても、学校で指導する先生方にとっても参考になるのではないかと感じました。特にG.ホルストの
「吹奏楽のための第一組曲」は吹奏楽コンクールでもよく演奏されていて、他の曲にも応用できるパッセージや演奏法もたくさん含まれているのでクリニックに最適だったのではと思います。
上野さんは電車やスコップなど身近なものを例にとって楽器に対する息の入れ方やフレーズの奏法を指導されていて、画面越しで聴いていてもすこしのっぺりしてしまっていたOBバンドの演奏に推進力が出て、低音にも厚みができ重厚感が増した感じがとてもよく 伝わってきました。生配信中のコメント欄でも音が変わった!という書き込みが多く見受けられました。一緒に曲を創り上げていく過程をそのままシェアするというのも今までにない試みで新しい時代の演奏会の形態を垣間見てとても刺激になりました。
通常の演奏会とはまた違った緊張感と感動
オンライン生配信という形態の演奏会に関わるのが初めてだったのですが、会場にお客様を入れた状態で行う通常の演奏会とはまた違った緊張感と感動を感じることができました。ですがやはり、劇場内にお客様が一人もいらっしゃらない状況での演奏は観客のリアクション(ブラボーなどの掛け声や拍手歓声)を見聞きすることができずどこか寂しい部分もあったので一日でも早く元の形態での開催ができればいいなと感じました。