- 富士山河口湖音楽祭2023実行委員会
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インターンシップの音大生による
富士山河口湖音楽祭では毎年昭和音楽大学と提携してインターンシップをスタッフとして迎えています。今年のインターンシップ音大生たち2人に、富士山河口湖音楽祭2020公演についてレポートしていただきました。
オンラインならではの会場の動きや雰囲気を知った
はじめまして。今回、インターンシップの研修で富士山河口湖音楽祭に携わらせて頂きました、昭和音楽大学の樋口です。今年で19回目の開催となる本音楽祭ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、今回はオンライン配信での開催となりました。実際に会場で聴いて頂くことは叶いませんでしたが、オンライン配信という新たな形で音楽祭を楽しんで頂けたのではないでしょうか。私も、オンライン配信の公演に携わるのは初めてでしたが、オンラインならではの会場の動きや雰囲気を味わえて、とても良い経験になりました。
新型コロナウイルス感染症の対策も万全に
今回の公演は、コロナ禍での開催だったため、出演者及びスタッフの健康状態についてのチェックシート記入、検温、社会的距離の確保、手洗い・消毒の徹底など、新型コロナウイルス感染症の対策を万全にし、オンライン配信を行いました。
マリンバや打楽器の表現の多様さを感じる
音楽祭の初日、8月15日は、パーカッション奏者の池上英樹さんによる『打楽器とマリンバで名曲を弾く』という公演が開催されました。
今回の池上さんの演奏を視聴して、マリンバや打楽器の表現の多様さを感じる場面が多くありました。マリンバは、木製の鍵盤をマレットでたたいて音を奏でる楽器ですが、そのたたく強さや演奏者の感情によって音に違いが出ると思います。池上さんの演奏は、テンポが速く、勢いのある曲では、1つ1つの音がはっきりと際立ち、力強い音が奏でられています。『チャルダーシュ』のような曲は、鋭く刺すような音で早い展開を作り出しているため、聴いているこちらも駆り立てられるような気持ちになる演奏でした。
一方で、曲のテンポが緩やかで流れがある曲では、トレモロで音のつなぎを表現し、包み込むような柔らかい音が奏でられています。『愛に死す』では、マリンバの柔らかな音が、廣瀬さんの演奏するピアノと合わさることで、より一層曲の柔らかさや深みを生み出し、祈りをささげているようでした。池上さんの紡ぐマリンバの音は、曲やテンポ、曲の持つ雰囲気によって表現の方法を変えているため、全く違う顔を見せ、その世界に引き込まれるような演奏でした。
また、『火祭りの踊り』でのカホンとタップも印象的でした。身体全身を使い、曲の勢いと緊迫感、世界観を作り出していました。それに加えて、ステラシアターの最大の特徴である野外という環境が、曲の雰囲気に合っており、曲の世界観がよりはっきりとしたものになったと感じました。
オンライン配信という形で音楽祭を開催したことによる新たな可能性
今回の池上さんの公演は、音楽祭の初日だったため、運営面においては手探りな部分が多くありましたが、事前にしっかりと準備をし、新型コロナウイルス感染症対策を万全にして臨むことができました。演奏面では、池上さんの様々な表現方法によって、曲の世界観を作り出しており、マリンバや打楽器の可能性を広げていると感じました。また、オンライン配信という形で音楽祭を開催したことにより、普段から音楽祭を楽しんでくれている方はもちろん、遠方で来場するのが難しい方や、あまりなじみのない人にも音楽を届けることができたのではないかと思いました。